ボンネル?ポケット?スプリングマットレスの違いについて
この記事にたどり着いた人は、スプリングマットレスにはボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスの2種類があることはご存知でしょう。
最近ではニトリなどの寝具コーナーにもたくさんのコイルマットレスが並んでいて、一度は試しに寝てみた人もいると思います。大きくて分厚いマットレスはちょっと憧れますよね。
いままでのマットレスが身体に合わず、コスプリングマットレスはどうかと考えている人もいるのではないでしょうか?そんな方に参考にしていただければと思います。
Contents
ボンネルコイルマットレスのメリット
優れた通気性
ボンネルコイルマットレスのコイルスプリングは、全て連結されていて一枚の板状のスプリングマットになっています。通気性は抜群です。金属が内蔵されたマットレスは、わたやウレタン素材のものに比べ当たり前ではありますがとても重くなります。そのため買ってからベッドフレームに置いてそれきりという人もいると思われます。
マットレスのお手入れが大変だと思う方は、高価なポケットコイルマットレスを何年も使うよりも、安価なボンネルコイルマットレスを、適当な期間で買い替えしていくという使い方で、気持ちよさを保つことができます。
手を出しやすい価格帯
ボンネルコイルマットレスの最大の長所は、ポケットコイルマットレスに比べると、お求めやすい価格です。1万円〜とノンコイルマットレスと同じ感覚で購入することが可能です。
ボンネルコイルマットレスのデメリット
クッション素材との兼ね合いを考える必要性有
横になっている身体を、ボンネルコイルマットレスは面で支える構造です。寝心地は硬めの寝心地で、お布団に近い寝心地を追求したい方には、ボンネルコイルマットレスが快適でしょう。
しかしボンネルコイルマットレスの寝心地は、スプリング自体の良し悪しよりも、スプリング表面のクッションの素材に大きく依存します。
上質のウレタンや綿の素材がふんだんに使われ、ある程度のクッション性があると寝心地が良くなりますが、表面のクッション素材が多すぎると、スプリングの反発効果が感じられませんし、クッション素材が少なすぎても、スプリングが背中に当たってしまい、快適な眠りは追求できません。
ボンネルコイルマットレスを選ぶときは、実際に横になってみて、マットレスのクッションの具合を確かめ、自分に合っていると感じるものを選びましょう。
大きな横揺れ
さきほどボンネルコイルマットレスは、全て連結されていると説明しました。マットレスの面全体で体を支えるため、衝撃はマットレス全域に広がっていきます。そのため隣の人の寝返りで揺れやすい、寝返りをうった際の揺れ反響が続くという難点があります。
面で支える分耐久性も高くはありますが、揺れに敏感な人は気になって途中で起きてしまう可能性があります。
ポケットコイルマットレスのメリット
体圧分散性能が高い
ポケットコイルマットレスの大きな特徴は、ボンネルコイルマットレスとは対照的にコイルスプリングがポケットと呼ばれる小さな袋に入っていて、一つ一つ独立しているという構造にあります。面で支えるボンネルコイルマットレスとは違い、独立したコイルスプリングはそれぞれが機能し、身体全体を点で支えてくれます。それゆえに、体圧分散性に優れ身体にフィットしてくれます。
身体にフィットしやすいということは、裏を返せば、マットレスとしては、少し柔らかめの分類になるということです。柔らかめのマットレスを好む方は、ポケットコイルマットレスを選ぶとよいでしょう。
横揺れが少ない
上記でコイルが連結しておらず体全体を点で支えると説明しましたが、そのため隣接したコイルへ衝撃は伝わりにくくなっています。
コイルマットレスといえば人が動くたびにボヨンボヨンと大きく揺れるイメージだと思いますが、ポケットコイルマットレスの場合はコイルの一つ一つが衝撃を受け止めるため、横揺れは非常に少ないのです。ダブルサイズ以上のマットレスは二人以上で使用することが多いと思いますが、一緒に寝ている人の寝返りも気にならないのはポケットコイルマットレスの大きなメリットといえます。
ポケットコイルマットレスのデメリット
ボンネルコイルに比べ高価
独立した各ポケットの製法の複雑さから、ポケットコイルマットレスは比較的高価なマットレスとなる傾向があります。ものによって極端に安い商品もありますが、金属が内蔵されているうえ、他の素材と層になっている商品がほとんどなので、処分する際のことを考えれば少し値が張っても良いもの、長めに保証期間がついているものを選んだ方が賢いといえますね。
またコイルの数もボンネルコイルに比べ多いため重たくなってしまい、日々のお手入れが大変と感じる人もいるかもしれません。
通気性は多少劣る
スプリングをそれぞれポケットに包む製法からもうかがえる通り、通気性はボンネルコイルマットレスに比べると、あまり優れません。
優れないと言っても、中が空洞ではあるので、わたや、ウレタンなどのマットレスに比べると悪くはありません。
ボンネルコイルに通気性は劣るポケットコイルマットレスですが、すのこタイプのベッドを利用することで、湿気からマットレスを守ることができます。すのこタイプのベッドが無理な場合は、マットレスの下に除湿マットを敷くことで湿気対策をするといいでしょう。
マットレスの上には、必ず敷きパッドを使い、汗などの汚れが染み込まないようにしてください。マットレスには、時々掃除機をかけて、ほこりをきれいに除去してあげると良いでしょう。
マットレスを長持ちさせる小技「ローテーション」
ノンコイル系マットレスにも使える技ではありますが、スプリングマットレスを長持ちさせる方法に「ローテーション」というものがあります。
方法は簡単。定期的にマットレスの上下を変えるだけ。両面使えるマットレスであれば表裏もひっくり返してあげると良いでしょう。要はマットレスにかかる圧を変えてあげるということですね。
この方法はホテルのマットレスにも採用されている方法ですし、マットレスを動かしてあげることで内部の空気循環を促し湿気を吐き出させる効果も期待できます。
どうしても面倒な場合は自分自身で寝る向きを変えてみるということでローテーションするという方法もあります。
フィットしたマットレスで人生を楽しく
寝ているときの姿勢が悪いと、十分に寝ても疲れがとれなかったり、血行が悪くなることで自律神経が乱れ、不眠や便秘などの不快感を招くことにもなります。
これらの問題がマットレス一つで片付くのだとすれば、良いマットレスを選べば、あなたの人生はバラ色になると言っても過言ではありませんよね。
仕事のパフォーマンスもよくなり、情緒も安定して、人生がうまく行きます。良いスプリングマットレスに出会えますように。
続きは少し専門的な話、コイルスプリングの性能を表す表記についてのお話です。近年では表記している商品の方が少ないですが、知識として頭に入れておきたい人はどうぞ。
コイルスプリングの見極めポイントとは?
スプリングタイプのマットレスを選ぶのなら、やはりコイルスプリングの良し悪しにこだわりたいですよね。
コイルスプリングの良し悪しを見極めたい場合は、どこをチェックするべきでしょうか?
2017年の3月までは、コイルスプリングの性能を表す表記として、次のようなものがありました。予備知識として知っておくというのも良いと思います。
SWRH 72 B A種
スプリングマットレスを熱心に調べている人にはおなじみの表記かもしれません。この表記の意味するところは次の通り。
SWRH
この英語表記には二種類あります。
SWRHは硬鋼線のスプリング
SWRSはピアノ線のスプリング
となっています。
ピアノ線のスプリングは、硬鋼線のものに比べて耐久性に優れていますが、価格はかなり高めで、製品自体も少ないです。有名どころは「アンネルベッド」でしょうか。
一般的にマットレスは硬鋼線のものが広く普及しています。高級寝具メーカーの「サータ」でも硬鋼線のスプリングを使用していますね。
72
この数字は、スプリングの炭素含有量を表します。数値が高いほど、高反発で硬度が高くなります。数値は70台までは安価なものからミドルクラスになります。70以上の数値がついているものはハイエンドクラスとみなしていいでしょう。
B
この記号は、スプリングのマンガン含有量を表します。Aは少ない。Bは多い。と、非常にシンプルな表記になっています。マンガン含有量が多いほうが耐久性に優れています。
A種
この表記は、線材の引張強度を表します。硬鋼線は弱いものからA<B<C、ピアノ線はV<A<Bの順に、引張強度が強くなります。
現在は、このコイルスプリングの性能に関する表示は簡素化されました。しかしまだこの表記を提示している商品もありますし、参考程度に頭に入れておいても良い知識ですね。