掛け布団の交換時期はいつ?
寝具には寿命があるのをご存知ですよね。枕やマットレスはもちろん、掛け布団など寝具にはそれぞれ寿命があります。
長くつかっている寝具の汚れやニオイ、ヘタリ、そういえば最近気になる…。そんな方もいるのではないでしょうか。実は寝具の状態は質のよい睡眠とも深い関係があります。
最近よく眠れていない…掛け布団をかさねがけして寒さをしのいでいるという人は一度寝具を見直してみてはいかがでしょうか。
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かけ布団は何年もつ?「素材別」でみる掛け布団の寿命
寝具を長く使っていると生地の汚れなどをはじめカビの発生など衛生面の低下や、ホコリの飛び散りなど気になってくることも多いと思いますが、寝具の劣化は身体に悪影響を及ぼす、呼吸器系疾患、アトピー、皮膚疾患の原因とも言われています。
またクッション性が低下したマットレスを使い続けると、寝たときの姿勢を保つことが難しくなり、腰痛などの身体トラブル、また快適な眠りが妨げられることで不眠の症状の元となることもあります。
では、寝具が快適に使える期間、取り換えのタイミング、目安はどのくらいなのでしょうか。掛け布団を素材別にみていきましょう。
素材別 掛け布団の交換時期の目安
綿(コットン)掛け布団:約5年(打ち直しにより延長可能)
天然素材の綿は、使用しているうちにへたったり硬くなってきますが、「打ち直し」という方法で、再生させることは可能です。
打ち直しとは中綿のゴミやカビなどを取り除きわたの偏りを均等に詰め直す布団のリフォームのようなものです。
一般的には掛け布団は5年、敷布団は3年ほどが寿命となりますが、そのタイミングで打ち直しをすることが勧められています。ただし打ち直しの目安は3度以内が適当とされていますので、掛け布団なら5年×3回=最長15年が目安となります。
打ち直しの相場は1万円前後となっているので6万円以上の高価な掛け布団などに有効です。
羽毛掛け布団:約5年~10年
羽毛にはダウン、フェザーと2種類の素材があり、ダウンが50%以上含まれるものは羽毛布団、フェザーが50%以上含まれるものを羽根布団と呼びます。
クリーニングやリフォームを行うことは可能ですが、最長でも10年程度の寿命とされボリュームの低下や汚れがみられたときは買い替えが勧められています。
ダウン?フェザー?
ダウンはダックの胸の毛で、軸がなくふわふわの綿毛のような形状をしているのが特徴で、フェザーは軸のある「羽根」と聞いて思い浮かぶ通りのものです。保温性能が高いのはダウンの方ですが、1羽からとれる量が少ないため、含有量が増えると価格も高騰します。
羊毛(ウール)掛け布団:約5年~7年
軽さがあり吸湿性が高いウールですが、クッション性が低いので、ヘタリが気になることが多い素材です。ドライクリーニングが可能な商品も多く、打ち直しも可能ですが、弾力の低下や湿気感が高くなったときには買い替えが勧められています。
合成繊維(ポリエステル)掛け布団:約5年
ポリエステルなどの化学繊維素材は安価で使いやすい素材ですが、メーカーやブランドによってもグレードに差があり耐久性も変わりますが、基本的には耐久性は低くボリュームダウンしてしまったときには買い替えが必要になります。
ちなみに
敷布団の寿命は掛け布団より短く、素材にもよりますが平均約3年を目安に交換することが推奨されています。
掛け布団を交換するのはいつ?タイミングとチェックポイント
チェックポイント1:中綿のボリューム
首のまわりがスース―する、掛け布団をかけても寒い、と感じたときがチェックポイントです。中綿がヘタってきてカサが減ってしまった状態なので、掛け布団の買い替え、交換を検討しましょう。
チェックポイント2:汚れ
掛け布団の襟足、顔まわりの部分の汚れをチェックします。顔まわり部分は汚れやすく、皮脂や汗が付着しやすい箇所でもあるので、汚れが気になるときにはクリーニングや買い替えを検討しましょう。
チェックポイント3:ホコリ
掛け布団の素材にもよりますが、繊維の断裂や破損により細かいホコリが出ている、羽毛布団の羽根が飛び出している、といったこともチェックしましょう。健康上のリスクにもつながりますので、気になるところがあれば早めに買い替えを検討してみましょう。
自分にぴったりなのはどれ?快眠のための掛け布団の選び方
寝具の品質は眠りの質を左右する重要なもの。心地の良い眠りのためには掛け布団の素材の特徴を知っておくことが必要です。素材別の特徴を知り、自分にあったものを探していきましょう。
綿(コットン)掛け布団
昔ながらの綿掛け布団ですが、100%の綿わたは重くなるため、一般的にはテトロンわたと綿わたを合わせた素材が使われています。
打ち直しをすることができるので、使用感が硬くなったときには再生できるのが特徴ですが、ホコリがたちやすい、重量があるという点で敬遠する方もいます。アトピーや呼吸器に心配のある方は避けた方が無難かもしれません。
また保温性の面でも他の素材よりも低くなるため、冬場は毛布を合わせて使うことがおすすめです。
羽毛掛け布団
羽毛布団は保湿性が高く、軽さ、耐久年数の高さが優れています。一定品質以上の羽毛布団は体への適温と適度な湿度を調節する力も備え、快適な眠りをサポートしてくれる布団ですが、素材やグレードの幅は広く価格にもかなり幅がある商品ですので、よく比較し、信頼できる販売店での購入をおすすめします。
羊毛掛け布団
羊毛は吸湿性、放湿性に優れている天然素材で、綿素材よりも湿気がこもりにくいのが特徴です。羽毛やポリエステル素材よりも重量があるため重みを感じる布団ですので、軽すぎる掛け布団が苦手な方には人気があります。
羊毛(ウール)は、天日干しをすると変色の原因になるため陰干しが推奨されます。ドライクリーニングは可能ですが、保管の際に虫がつきやすいので防虫対策をしておくのが安心です。
ポリエステル掛け布団
ポリエステルわたの掛け布団は、軽く保湿性があり、価格も比較的リーズナブルです。メーカーの品質や種類によってはホコリがたちにくい、アレルギーが起こりにくい、家庭で洗濯できるものなどの特徴を兼ね備えたものが販売されているので、体質や用途に合わせて購入したいという方にはおすすめです。
グレードにより使われているポリエステルわたの種類や表地の違いにより、使用感にも幅がある商品ですので、よく確認して購入するようにしましょう。
今使っている掛け布団を見直してみては?
寝具にも寿命があり、掛け布団、敷布団、枕、それぞれに最適な使用期間というものがあることをご紹介してきました。最近、よく眠れてないな、寝心地がよくないかな、と感じることがある方は長年使用している寝具を見直してみるとよいかもしれません。眠りの質が上がると健康な生活にもつながります。
スリープコンフォートゾーン(寝床内気象)って?質の良い眠りはよい寝具から
日本睡眠科学研究所の定義する人が快適に眠れる温度「寝床内気象(スリープコンフォートゾーン)」と呼ばれるものがあります。
快適な睡眠を得るためには、寝具や寝間着によって寝るときの体の周りにつくられる空間の温度と湿度を適切な状態に保つことが重要で、その数値は温度33℃±1℃、湿度50±5%(RH)だとされています。
数値だと上のような感じですが、感覚的に夏は寝苦しくなく、冬は全身が暖かいと感じる体感です。
質の良い睡眠に快適な寝具は欠かせません。不眠を訴えている方が、寝がえりのうちやすさや体のバランスをサポートしてくれるマットレスや首や頭を支えてくれるフィット感のある枕などに変えると快適に眠れる場合もあります。
同様に掛け布団も質の良い睡眠に欠かせないアイテムです。掛け布団がかかせない秋冬、自宅にある寝具を見つめ直すには良い季節かもしれません。